季刊「SHIP!」第6号 特集「ひきこもりと住みやすいまち」

季刊「SHIP!」第6号
7月30日発刊

【特集】ひきこもりと住みやすいまち


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【目次】

《第6号・特集テーマ》

ひきこもりと住みやすいまち

【巻頭言】「助けて」と言える、このまちで

《特集インタビュー》

わたしがいる あなたがいる なんとかなる“なんちゃって家族”が集う「希望のまち」とは?認定NPO法人抱樸・理事長 奥田知志さんに聞く

「なんとかなる」ーその一言を信じられる人が、どれだけいるだろうか。福岡県北九州市を拠点に30年以上ホームレス支援を続けてきた認定NPO法人抱樸(ほうぼく)。3800人以上を自立へとつないだ理事長・奥田知志さんが、活動を続ける中で気づいたのは、住まいを提供するだけでは解決しない「孤立」という問題だった。今、抱様は、失われた「家族の機能」を街でまるごと引き受ける拠点を作ろうとしている。その名も「希望のまち」。誰もが安心して「助けて」と言える、ひとりも取り残されない社会への第一歩だ。まちづくりのヒントは、「他愛のない会話」にあった。
文:清川玲奈
構成:松永和歌
取材:上田理香/清川玲奈 松永和歌/村田くみ
写真提供:NPO法人抱樸

《特集(地域発)》

新潟県十日町市
障がいの有無を超えて、地域も学校も共に生きるまちづくり

新潟県十日町市。冬には深い雪に覆われるこの町に、全国から視察が絶えない教育の実践現場がある。障がいのある子とない子が同じ校舎で学ぶ「共生の学校」だ。全国でも例のない特別支援学校(以下支援学校)と小学校、発達支援センターの一体化は、市民の強い願いから生まれた。障がいの有無を超えた共生の理念は、お互いを知り、自然に支え合う土壌を育んでいる。居心地のよい学級づくり、共に生き、共に学び合える学校・地域はどのように生まれたのだろうか。誰もがここに居ていいと思える「住みやすいまち」づくりのヒントを探る。
取材・撮影:上田理香/池上正樹  文:上田理香

《特集インタビュー》

ひきこもりの人を支援しない「支援」「ために」から「ともに」とは福岡県・筑後市社会福祉協議会・コミュニティワーカー 卜部善行さんに聞く

福岡県・筑後市社会福祉協議会(以下社協)のト部さんは、自身について「ひきこもり支援の専門家ではなく、社協の一職員として、できることを一つずつ積み上げています」と語る。その実践は既存の枠組みにこだわらず、社協が持つ地域とのネットワークを活かし、ひきこもり当事者(以下本人)と地域を結びつけている。誰もが助けを求めることができる社会を目指すト部さんに、その独自の取り組みをうかがった。
取材・文:マイメロアット
取材・構成:ひきこ・F・もりお

《特集(地域発)》

自分のペースで働ける形を増やす~川崎市短時間雇用プロジェクトの挑戦

ひきこもりや障害、病気などの心身のコンディションから長時間の勤務が難しくても、地域の中に役割を持って働ける場がある。自治体が事業者と就労希望者をつなぐ「超短時間雇用」は、1日15分、週1回から短時間で働けるモデルだ。2016年神奈川県川崎市は全国に先駆けて東京大学先端科学技術研究センター教授・近藤武夫さんと共同でプロジェクトチームを発足させ、同年4月に雇用の実践を開始。東大先端研のこの取り組みは現在10の自治体に広がった。
前号(※1)に続き今号では、全国の自治体として初めてこの短時間雇用システムを導入した川崎市の特徴と、可能性と課題について聞いた。
※1 SHIP!第5号参照
取材:村田くみ/老川素子/津田貴美子
文・写真 (p26):津田貴美子
構成:村田くみ

《マイボイスユアボイス》

地方移住×シェアハウスという暮らしの選択肢 長野県伊那市で古書店を経営して 稲垣篤哉

働きながら「生」を取り戻す~そういう女の子の話~ せいこ


永遠に当事者である私の生きること探し ゾンビのシアンCAT

《特集インタビュー》

「自己責任」という名の凶器 「使い捨て労働」30年のツケ 作家・雨宮処凛さんに聞く

コロナ禍から5年経過して今は物価高が続く日本。平均年収は上がらず、諸外国と比べても所得の低さが浮き彫りになっている。かつては経済大国と言われ、お金持ちともてはやされた日本人の中に、今や「アンダークラス(低賃金労働者層)」と呼ばれる貧困層も存在する。とくに深刻なのが「女性」と「氷河期世代(ロストジェネレーション)」の貧困。なぜ一生懸命働いても生活が楽にならないのか?
作家の雨宮処凛さんに聞いた。
取材:村田くみ /カサンド蘭子
文・撮影:カサンド蘭子
構成:村田くみ

《特集インタビュー》

「アンダークラス」をなくすために、私たちができること
早稲田大学人間科学学術院・教授
橋本健二さんインタビュー

1960年以降の高度経済成長期に「一億総中流」といわれた時代もあったニッポン。いまとなっては、はるか昔のこと。バブル崩壊以後、経済が回復することなく、失われた30年ともいわれる。貧富の差が拡大し、金融資産などで豊かになった富裕層に対し、非正規労働で賃金が安く、フードバンクや炊き出しを利用せざるをえない貧困層へアンダークラス>もいる。長年、日本社会のありようを見つめ、インターネット調査のデータをもとに格差社会の実態を明らかにしてきた社会学者の橋本健二さんに話を聞いた。
取材・上田理香/老川素子/佐久間真弓/津田貴美子/最内翔
文・佐久間真弓 撮影・老川素子

《家族の記憶》

家族は何からひきこもっていたのか~「私」の生きづらさの根源を見つめる(前編)

「ひきこもり体験者が抱える『生きづらさ』は、家族の歴史をひも解くことで別の面が見えてくる」。そう指摘するのは文化人類学者の北村毅さんだ。『SHIP!』第2号の北村さんのインタビュー記事「その『生きづらさ』は、あなたのせいじゃない」では、戦争が家族に遺した負の記憶が、形を変えながら世代を超えて繰り返されることに言及した。今回、「ひきこもり」の当事者手記を数多く執筆し、「SHIP!』の編集部員でもある詩人・フリーライターの喜久井伸を迎え、トークイベントを2月11日に東京・池袋で開催。北村さんが関心を寄せる「父親の不在」に焦点を当て、二人の語りから「家族」を社会文化的・権力関係に位置づけ、「生きづらさ」の根源にあるのは何なのか、その正体に迫った。
構成・文 佐久間真弓
写真 石井英資

《連載》

連載第3回 西鉄バスジャック事件から25年
「被害者として、加害少年と向き合う」
佐賀県佐賀市で活動する 親の会「ほっとケーキ」代表/フリースペース「ハッピービバーク」代表 山口由美子さん

2000年5月3日。西鉄高速バス「わかくす号」は、17歳の少年に乗っ取られた。乗客だった山口由美子さんを含む数人が重症を負い、同乗していた恩師の塚本達子さん(享年68)は命を失ったー。(※)2005年4月、山口さんは少年院にいる少年と再会した。恩師を殺害し、自分にも重傷を負わせた少年に、山口さんはなぜ向き合おうと思ったのか。向き合ってみてどう変化したのか。連載第3回の今号では、その歩みをたどる。
(※事件当時の経緯や塚本さんとの関係、少年の親子関係については、
『SHIP!』第2号・連載第1回/第5号・連載第2回を参照)。
文:松永和歌構成:津田貴美子
取材:松永和歌/村田くみ/津田貴美子

《連載》

連載 第2回 ファイナンシャルプランナー畠中雅子さんに聞く

ファイナンシャルプランナー(以下、FP)の畠中雅子さんは、
34年前から関東を中心に、ひきこもりの子どもがいる家庭に向けたセミナーや相談業務を行っている。そのなかで「サバイバルプラン」と呼ぶ、親の持つ資産を活用して、親亡き後の子どもの生活を支えるライフプランを立てることを提唱している。今号では、サバイバルプランを考える上で柱となる「住居」を中心に、親亡き後の子どもの生活のために備えるべきポイントについてうかがった。
取材・構成:村田くみ
取材・文・写真:舟尾徳子

《連載》

連載 第2回『精神科医がこころの病気を解説するCh』 益田裕介氏に聞く

2026年6月現在、登録者数が70万人を超えるYouTubeチャンネル「精神科医がこころの病気を解説するCh」で、日々積極的に情報発信を行っている益田裕介氏。「世間の価値観も参考にはなるが、それを絶対的な基準として受け入れる必要はない」と語る益田氏に、働くことの価値や人間そのものの価値、そして我が子への向き合い方について聞いた。
文:飯田恵美子
取材:飯田惠美子/石井英資/池上正樹/上田理香
構成・撮景:石井英資

《SHIP!×ART》

SHIP×ART  NEMM

作品タイトル「Inner bonding」「ひかりのこども」
<NEMM(ネム) プロフィール>
1991年東京都生まれ。女子美術大学洋画専攻卒。幼少期はいわゆる機能不全家庭で過ごし、家も学校も嫌いで心の底から安らぎを感じたことはありませんでした。美大へ進学したことで、小さい頃から絵を描くことが自分の居場所代わりだったのを思い出し、またアートの物の見方を得たことで今までの自閉した世界から放たれ、私という人間とは?という自己探究、いわば自分の人生がやっと始まりました。
Instagram/X @nemmvoid

《SHIP Photo》


SHIP Photo 撮影・佐藤恒平

作品タイトル「山形・朝日町の棚田」「空気を祀る"空気神社"』」
<佐藤恒平 プロフィール>
神奈川から山形へ移住して16年。古民家ゲストハウス松本亭一農舎のオーナー。
ゆるキャラ・桃色ウサヒを運営。ゆるキャラとボードゲームが好き。
Instagram @kohe_mayoiga

《連載》

連載第2回「家族会」ってどんなところ?<KHJ埼玉けやきの会家族会>
行政とも連携し、孤立させない支援を

家族の誰かがひきこもり状態にあって悩んでいる時こそ、「家族以外の誰かとつながる」ことが大切だ。家族支援として情報交換や相談の場を提供するKHJ全国ひきこもり家族会連合会には、個性豊かな39の「家族会」がある。「家族会」とはどのような場なのか。全国で初めてひきこもり支援の単独条例が制定された埼玉県に拠点をもつ、「埼玉けやきの会家族会」に話を聞いた。
取材:時綾佳/上田理香
文・構成:時綾佳構成:上田理香

《特集インタビュー》

「言葉」は命を救うほどの作用を与える東京科学大学教授・伊藤亜紗さんインタビュー

東京科学大学教授の伊藤亜紗さんは、これまで障害者やアスリートなどの「体」をテーマに研究を続けてきた。2026年2月に出版された『体の居場所をつくる』(朝日出版社)では、摂食障害やALS(筋萎縮性側索硬化症)の当事者に取材。「体」と向き合うなかで生まれる、創造的な表現や試行錯誤の体験を記録している。「体」を語る言葉の奥深さや面白さについて話を聞いた。
文・構成:喜久井伸哉
取材:喜久井伸哉/石井英資
撮影:石井英資

《ひきこもり×ライトノベル》


ライトノベルのタイトルに「ひきこもり」が使われまくっている件

《特集インタビュー》


英国のジャーナリストに聞く、イギリスの社会的孤立

日本で「ひきこもり」と呼ばれてきた現象は、もはや日本だけの問題ではない。
近年では、海外でも極端な社会的孤立を表す言葉として、hikikomori(ひきこもり)という言葉が使われ始めている。今回は、BBCのドキュメンタリー番組制作のため、イギリス、イタリア、フランス、そして日本で「ひきこもり」をテーマに取材を進めている英国のジャーナリスト、クレア・プレンティスさんとデビッド・ステンハウスさんに、イギリスにおける社会的孤立の実情、日本との違いについて話を聞いた。
取材:山添博之/瀧本裕喜/濱田知希/清川玲奈/上田理香/池上正掛
文:山添博之 撮影:瀧本裕喜/清川玲奈

《ひきこもりの実態》

炭鉱の「カナリア」101人の声が伝えるもの
~ひきこもりピアサポート活動に関する実態調査から考える~

令和7年に実施されたKHJ全国ひきこもり家族会連合会による実態調査(*1)によると、ひきこもりピアサポート(以下、ピアサポ)活動を望んでいる(受けてみたい、やってみたい、必要と感じる)当事者およびその家族は4割を超えた。本記事ではひきこもりピアサポーター大橋伸和さんによる考察「断絶の深淵から響くカナリアの声」(KHJ実態調査204ページに掲載)を通して当事者101名の声が伝えるものを考えたい。
(※1 KHJ全国ひきこもり家族会連合会が2004年から年1回、継続しているひきこもる家族と本人を対象に行っている実態調査。調査全文は公式サイトよりダウンロード可能
https://www.khj-h.com/news/)
文:大橋伸和(ひきこもりピアサポーター)
構成:上田理香(SHIP!発行人 KHJ広報アドバイザー)

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